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“地下水で拓く安曇野の未来シンポジウム”に参加してみた [イベント]

地下水についてのシンポジウムに参加してきました。
2011.8.6.水シンポジウム1.JPG
安曇野の歴史は水の歴史。
広大な扇状地の安曇野は山からの水や雨水などが地下に潜り込み、
やがてそれは湧水となって扇状端部に再び姿を見せます。
地下水、そして湧水の量は今でも非常に豊富には違いないのですが、
それでも以前に比べてかなり減ってきているという実感が安曇野にはあります。
大規模工場による大量の地下水汲み上げや、水田面積の減少など
さまざまな要因が考えられるのですが、いづれにしてもこのままほったらかしには
しておけないと、地下水の今後を考えるきっかけにしていくための
シンポジウムとなりました。
2011.8.6.水シンポジウム2.JPG
シンポジウムは基調講演からパネルディスカッションといった
お決まりの形式で進行したのですが、今回のパネラー諸氏の話は充実していて
とても勉強になりました。
安曇野の地下水の動きと湧水発生のメカニズムといった基本的な話から
地下水とは果たして公水なのか、それとも私水なのか、といった問題提起。
また、いま全国各地で問題となっている(主に外国資本による)森林売買から見える
土地と水との関係についてなど、非常に興味深い話ばかりで。

地下水を公水と考えるか私水とするのか。
仮に地上の河川同様に公水とするならば
地中に潜むそれらの水の管理責任はどうなるのか? といった命題は
安曇野の地下水資源を今後どう取り扱っていくべきかについて、
おおいに考えさせられる部分ですね。

森林売買の点からは日本という国が、いかに外国に対して土地売買の面で
無防備であるかという点も教えられた点です。
そうなんですよね、日本は外国資本とかいう以前に我々日本人同士の場合でも
農地を除く土地は殆どフリーに近い状態で売買可能なんですよね。
でもって土地というのは所有者の権利が圧倒的な権限を持っていて、
行政といえども民有地においそれと足を踏み入れることができない。
外国人の所有する土地に立入り禁止の看板が出ている写真が
パワーポイントの説明で出されていましたが、なんとなくゾクッとするような光景。
中東マネーが北海道の土地を買って牧場を経営していたり、
ニセコの売れ残っていた別荘地帯を中国資本がすべて買い漁って完売していたり、とか。
これって、軍事力を伴わない他国による領地占領みたいな気がして。

現在は地方自治体レベルで無法状態で行われている源泉地の森林売買を抑止する
条例策定といった動きも出始めていて、国も新しく水資源保全のための法律制定に向け
国会などで調整が進められているようですが、それらが一定の効果を発揮するまでには
まだまだ時間がかかりそうな感じです。
2011.8.6.水シンポジウム3.JPG
(ロビーでは利き水コンテストも開催)

2011.8.6.水シンポジウム4.JPG
(地下水大量汲み上げ企業様より、安曇野のミネラルウォーターの差し入れ。)

とにかく、安曇野の水はここに暮らす人々みんなの共有財産。
扱いが公であれ私であれ、みんなでこの優れた水資源を未来に繋いでいくため
知恵を絞って環境を守り続けてゆかなければいけないですね。

それにしても講師やパネリストのお歴々。
おしゃべりが上手で聞いている者を飽きさせない。
ガイドで人に向かって喋る機会も多いですが、
そんな点でも今日は勉強になりました。
2011.8.6.水シンポジウム5.JPG
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