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国土・景観形成事業推進調整費で思うこと [雑感]

事業仕分けって言葉、今年の流行語大賞候補に挙がるんでないかい?
なんて、つまらぬことを考えていられるほど暇でもないのですが。

先日来メディアをにぎわせている事業仕分けに関する会議ですが、
そのなかで「“国土・景観形成事業推進調整費”なるものを廃止すべき」
という結論が出たというニュースが会議初日に報道されました。
景観という言葉にピクッとなり、国交省のサイトでちょこっとチェック。
執行率が低いだの当初予算でまかなえるだのとあれこれ言われていましたが、
昨年度の同予算の使途を見てみると、基本的には道路・河川などの改修・整備工事。
国交省の予算ですから当然のように公共工事に係るものであることが前提とされていて、
もちろん景観形成に貢献する内容であることを打ち出したものも中にはあるわけですが、
景観云々以前に“公共工事のムダをなくせ”という流れのなかにあって
件の会議で廃止の結論が出されたのもむべなるかなという感じです。

とはいえ、景観形成に関連する事業=大小さまざまな取り組みが、
今後もますます大切になっていくのもまた自然な流れではないかと思います。
問題なのは、国をはじめとする行政視点の景観形成というと、
とかく建築・土木の面にウエイトを置きがちではなかろうか、という点でしょう。
本来優れた景観は地域ごとの特性が表れるものですし、
地域に暮らす人々の日々の営みがより重要となってくるものです。
道路や河川の整備事業も確かに良好な景観形成には大切な要素ではあるに違いないですが、
それ以上に大切なのは地域の人々の繋がりとそれを景観という形に具現化していく仕組みづくり。
事業の有益性や優先順位などを考えると、従前のハード事業よりもむしろ
ソフト面の充実を図るための施策や事業が必要ではないかと思います。
その点について、先日提出された安曇野市の景観計画素案に関連して
安曇野コラムさんが記事をエントリーしているので、ぜひご覧いただければと思います。

2004年に施行された景観法の所轄官庁がその性格上、国交省にあるのはよしとして、
本質的に景観形成が建築土木の分野だけでなく様々な分野にまたがる複合的なテーマで
あることを考えれば、行政の各分野を横断的に仕切ることのできる行政庁が存在すれば
よいのにと思うのですが、まあ中央官庁の現実の前には果てしない理想でしかないですかね。
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