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集落のランドマークとして常念岳を見る [マチヅクリ]

安曇野市堀金の扇町と下堀の両地区を歩いてみました。

来月開催される、NPOふるさとづくり応援団主催のふるさとウォッチングin安曇野。
毎度おなじみのガイドウォーキングも、来月の開催をもって早や20回目。
その下見ということでNPOスタッフ数名で予定コースを歩いてみたのですが。。。
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常念岳がどこからでも見通すことができる集落。
というより、まるで常念岳をランドマークとして集落の街路や
敷地内における建物や樹木の配置が計画されたかのような印象。
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田舎の村のことゆえ、集落内には曲がりくねった道が多く、
もちろんどこからでも常念岳が見通せるというわけではないですが、
それでも要所要所のポイントでの風景要素としての常念岳の在り様は
借景として非常に効果的に集落のなかで生かされている感じ。
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これまで安曇野に点在する多くの集落を歩いてきましたが、
今回はとくにこの集落の合間から見える常念岳の姿が印象的ですね。
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都市機能の充実で本来持っていた安曇野の集落景観の魅力が
減ってきているというのも否めないところだと思います。
優れた眺望景観としての存在価値をより強く意識してきたのは
地域住民よりむしろ都市部から訪れる観光客であったり
移住してきた新住民だったりとよく言われますが、そうではなくて
この地に暮らす住民は無意識のなかで常念岳をはじめとする
アルプスの山容を自分たちの暮らしのなかで生かしてきていたのでしょう。
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自然のなかで昔も今も変わらぬ姿を見せるアルプス常念岳と、
農耕が基盤となっている集落形成。
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次回ふるさとウォッチングも面白いものになりそうです。


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写真という名の、町の記憶装置 [雑感]

大町市の麻倉を久しぶりに訪問。
黒部ダム建設当時の写真をパネル展示しているということで、
もしかしたら穂高町の火の見櫓について何か分かるかもしれないと思い、
仕事の合間に車を走らせて見に行ってきた次第。

黒部ダム建設の資材置き場で監視塔として使われていた望楼が穂高に移築され、
現在に至るまで穂高町の火の見櫓として活用されてきたという話。
経緯を知る当時穂高町の消防団員だった方々にヒアリングして
一定の裏取りは出来ているとはいえ、実際に大町に立っていた当時の画像などの
物証がまだないために、どうにも心が落ち着いていないのが実際のところ。
で、残念ながら展示されていたパネル写真には往時の監視塔というか
資材置き場そのものの写真はなく、懸案の証拠探しはおあずけ。

しかし、黒部ダム建設現場を記録したその写真の数々は
非常に生々しくて貴重なものばかりで、多いに堪能できました。
とくに同時代の大町の市街地の様子を写した写真などは、
この町の記憶がしっかりと画像のなかに息づいているようで、
こういうものが大切に保存されていることを嬉しく思いました。

写真(カメラ)というツールは、日本ではすで幕末には入り込んでいたようですが、
実際に大衆化のかたちを取るようになるのはもっと後の時代になってから。
ましてや大町や安曇野などといったド田舎で、明治大正期の写真の記録は
かなり貴重な存在といえます。

今回のパネル展は黒部ダム建設当時ですから昭和30年代ということで
まだライブで記憶を残すご年配の方々もいらっしゃるわけですが、
それでも少しずつその記憶が薄れ失われていく自然の流れの中で
こうしたモノクロの写真たちが語りかけてくる町の記憶というものは、
これから続く未来のまちづくりにとって重要な役割を果たしてくれるはずです。

松本地方では郷土出版社という地元の出版社が
地域の古写真を集めて写真集を何冊か出版していますが、
そこに掲載されたもの以外にも、まだ個人レベルで古写真を所有されているまま
アルバムや蔵の奥深くに眠っているものがあるかもしれません。

現在と未来のまちづくりは積み重ねてきた過去の歴史の上に成り立つもの。
町の記憶資料としての古写真の保存活用は、
町全体で進めることも時には必要なことではないかと思う次第です。

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